変わりゆく介護現場の実情

一昔前は介護職と言えば、きつい・低賃金などのマイナスイメージが強く、実際に他業界の職種に比べて離職率は高くなっていました。

介護現場で必要とされる身体介助では高齢者を抱きかかえて行う作業が多く、慢性的な腰痛やぎっくり腰になってしまい仕事を続けられなくなる人もいます。また入居型介護施設では24時間体制で介護サービスの提供が行われており、日勤と夜勤の繰り返しで体調不良になる人も少なくありません。

このような過酷な労働の割には賃金が安いと感じる人が多く、どんどん人が介護職を辞めてしまう悪循環に陥っていました。しかし、最近では介護職のキャリアアップシステムや労働環境が見直され、介護業界は徐々に働きやすい業界になってきています。

さらに近年、介護の世界では、介護福祉士やケアマネジャーのような介護資格の取得をしてキャリアアップをすることで、資格手当の付与など賃金アップが目指せる企業が増えてきています。さらに、正社員の時短制度や資格取得サポートなど、介護スタッフがメリットを感じるシステムの導入も進んでいます。

中には、介護施設の夜勤スタッフや夜間訪問介護など、あえて手当が付く夜勤勤務のみを希望して働く介護スタッフもいます。このような働き方を夜勤専従と言い、「平日に休みたい」「資格勉強をしながら働きたい」といった人たちから支持されています。

今後、日本社会は超高齢社会に突入していきます。介護業界の各企業はこれからも安定して人材確保し続けなけば、存続は難しくなってきます。
そうした背景を踏まえると、今後介護職の労働条件や労働環境はさらに改善され、介護がこれまで以上にやりがいを感じられる職業になる可能性は十分あるといえるのではないでしょうか。